(Ⅰ)ベストアルバム(5枚組)のその後(¡Pasa bien, Tatín!, ¡Bienvenido, Junior!)

1957年、彗星のごとく現れ、プエルト・リコでは異色のハーモ二ーとサウンドを持った《フリート・ロドリーゲス・トリオ(A)》は、5枚60曲のアルバムを残し、1962年残念ながら解散してしまいました。解散の経緯については前述したので繰り返しませんが、その原因の張本人であるタティーン・バレに対して、フリートがわだかまりをもっていたか、というと、必ずしもそうではなさそうです。むしろ彼はバレの才能を高く評価していた節があります。第3章べストアルバム・シリーズ(Ⅲ)第3集8.【僕の口づけでおやすみ】の項で述べたとおり、21年後の1983年にタティーン・バレと再び組み、《フリート・ロドリーゲス・トリオ (C)》を結成、1枚のアルバム『ANSONIA A-1633』をレコーディングしているからです。

フリート(左から二人目)、筆者、
リカールド・フェリウー(右端)

そのときレキントに起用された当時新進気鋭のリカールド・フェリウーとは、1999年に初めて私がサン・ホワーンに行き、《フリート・ロドリーゲス・トリオ》のライブ会場でマエストロから紹介されたのが最初の出会いでした。そのときマエストロが私に向かって ❝リカールドは今プエルト・リコで一番のレキント奏者だ。もし機会があれば彼を日本の連れて行くよ❞ と言ったのを覚えています。その後何回か《フリート・ロドリーゲス・トリオ》ではなく、彼自身のトリオのライブを聴く機会がありました。さて、このアルバムの出来栄えですが、60歳に近づいたマエストロの喉に衰えが見えるものの、全曲マリアッチをバックに、しっかり歌っているのはさすがというほかありません。バレが加わったトリオのハーモ二ーも、往年のそれを彷彿とさせるものがあります。収められている曲目は【つた:La Hiiedra】などのポピュラーな曲が中心で、演奏スタイルも全曲ボレーロ・ランチェーラです。中には、 第3章べストアルバム・シリーズ(Ⅰ)第1集7.に収められている【高嶺の花 】のような珍しいものも入っています。しかし何といっても特筆すべきは、このアルバムで発表されたフリート・ロドリーゲスの二つの新曲【恋の逃避行:Fugitivos】と【愛の基盤:Lo Primordial】が大反響を呼んだことでしょう。このトリオは、このアルバム以外にもレコーディングは行っているようで、オム二バスアルバム『ソルフェーオ(Solfeo)LP−316』の中に2曲発見しました。 その一つにフリート作の【サン・ホワーンの夜:San Juan Nocturno】があります。この曲は後に、『カリブのラテントリオ』の著者パブロ・オルティース氏自らプロデュースした、本書の原題と同名のオムニバスCDアルバム『A Tres Voces y Guitarras(3人の歌声と三つのギター)』の1曲目に収録されています。ただし、曲名は【サン・ホワーンの夜】ではなく【サン・ホワーンの灯:Faroles de San Juan】で、演奏も異なります。セカンドは分かりませんが、レキントは ウイリアム “グリーン” ロドリーゲスが弾いているように聴こえます。どちらのCDにも曲の形式の表記はありませんが、私は敢えて「ヒーバロ風グワラーチャ」、すなわち「ヒーバロ・グワラーチャ」と名付けたいと思います。

サン・ホワーンの灯
【サン・ホワーンの夜:San Juan Nocturno=サン・ホワーンの灯:Faroles de San Juan】
「ヒーバロ・グアラーチャ」『SOLFEO』LP-316

En cada esquina un farol,

en cada balcón un ramo de flores

y mi morena enamorada y llorando,

y las olas acompañan sus quejidos amorosos.

¿ Quién pudiera ser dichoso

y antes de que nazca el día a la luz

de tus faroles besar su boca encendida ?

¡ Ay San Juan, capital !

Tus faroles encendidos,

y el pobre corazón mío se muere sin regresar

para poderle contar, por ella, cuánto he sufrido.

街角には街灯が灯り

家々のバルコ二ーには花が飾られ

僕の愛する娘が泣いている

波の音がそれをやさしく慰める

まだ暗いうちに

街灯の火に口づけをして

消す奴がいるだろうか?

我が町サン・ホワーン!

街の灯が灯る

二度と立ち直れない僕の哀れな心

どの位傷ついたか君には言えない

 

Mi San Juan nocturno se alumbra

con faroles antiguos.

Mientras yo de lejos

sueño morena que estoy contigo.

古びた街灯が

我がサン・ホワーンの夜を照らす

僕は遠く離れたあの娘の

夢を見る

 

Un farol en cada esquina

y en cada esquina una historia.

¡ Ay San Juan de mis memorias !

Cuando yo te vuelve a ver

a la luz de tus faroles por siempre me quedaré.

街灯が灯る街角には

それぞれの歴史がある

懐かしの我が街サン・ホワーン!

街の灯の明かりと共に

僕はいつも君といる

 

【逃亡者たち:Fugitivos】「ボレーロ・ランチェーラ」『ANSONIA』A-1633

Lo he pensando muy bien, y he decidido

que aunque pase lo que pase

quiero seguir contigo.

僕は良く考えた末

過去は過去として

君と一緒に行くことにしたよ

Lo he pensado muy bien y he decidido

no dar un paso atrás, aunque

tengamos que andar como fugitivos.

僕は良く考えた末

過去は振り返らず二人で

逃亡者になることに決めたよ

 

Como fugitivos por causa de este amor

como fugitivos así somos tu y yo.

Siempre escondidos en la oscuridad

donde nadie nos conozca que nos pueda delatar.

この恋のため

君と恋の逃避行

いつも暗闇に隠れて

誰にも気づかれない逃避行

 

Como fugitivos por causa de este amor,

como fugitivos así somos tu y yo.

Una noche de placer y después

seis noches de soledad.

Como fugitivos seguiré contigo hasta el final.

この恋のため

二人の恋の逃避行

6日間じっと我慢した後の

一夜の悦び

恋の逃避行に終わりはない

 

 残念なことに、1983年に発売されたこのアルバム(《フリート・ロドリーゲス・トリオ(C)》(フリート/タティーン/リカールド)が、《フリート・ロドリーゲス・トリオ》が商業レーべルのためにレコーディングした最後のものとなり、このトリオをもって《フリート・ロドリーゲス・トリオ》 の本格的な活動は終わりを告げ、実質的な終焉を迎えることになりました。

さて、話は1962年に戻ります。『カリブのラテントリオ』(231頁〜233頁)の記述にあるとおり、5枚のべストアルバム・シリーズを残して解散したこのトリオは、新たにフ二オール・ナサーリオをセカンドボイス/ギターに迎えメキシコに渡り、そこで40日間滞在しました。『オルフェオーン(Oefeón)』との契約を果たすためです。その契約により、LP3枚のアルバムを吹き込みました。『貴方への贈り物:Regalos Para Ti』(『ORFEON』LP-12-289 )『よろしく、メキシコ:Saludos A México』そして『《トリオ・ロス・パンチョス》、あの頃の歌:Así Canté Con Los Panchos』(『ORFEON』UPS-137-F )です。フリートは新しいサウンドを求めて2丁レキント(シャローン/ナサーリオ)を採用して猛練習に励み、その甲斐あって、短期間の間にこれまでとは一味違う《フリート・ロドリーゲス・トリオ(B)》が出来上がりました。確かに2丁レキントは抜群の効果を発揮し、そのモダンな感覚のサウンドは耳触りも良く、分かりやすいものになったのです。しかし残念ながら、ハーモ二ーのバランスが ‘普通’ のラテントリオに戻り、得もいわれぬコーラスの深い味わいは失われています。それでもべストアルバム・シリーズ直後にレコーディングされたこの3枚、特に『貴方への贈り物』と『よろしく、メキシコ』の2枚は、この後プエルト・リコに戻った彼らが残した9枚のLPを含め、全12枚のアルバムシリーズの中で抜きん出た存在になりました。その理由として、なによりもこの2枚にはフリート・ロドリーゲスが《ロス・パンチョス》を辞めた後、心の中に燃えていた ‘熱い想い’ と ‘意気込み’ がしっかり残っている感じがするからです。

『貴方への贈り物:Regalos Para Ti』

『貴方への贈り物』にはフリートの作品と「ナビダー/クリスマスの歌(Navidad)」を中心に、全曲これぞ ‘ボリーケン=プエルト・リコの歌’ でまとめられ、べストアルバム・シリーズ とは一味違った野心的な1枚になりました。
『よろしく、メキシコ』は一転して軽快なボレーロばかりが収められています。その中にあるフリートの、今までにない趣のある新作3曲も合わせて、この2枚は皮肉にもメキシコでフリートの ‘想い’ を叶えた結果になりました。その2枚全24曲中、作曲家フリート・ロドリーゲスの作品が9曲も収められているのは異例なことです。

『よろしく、メキシコ:Saludos A México』

その中には、《ロス・パンチョス》時代も含めて、繰り返しレコーディングしている彼自身お気に入りのヒーバロ歌謡の代表作、【命の洗濯:De Fiesta】や、新作のボレーロ【遺言:Mi Testamento】 と【三つの星:Tres Estrellas】 、さらに、第2章 (Ⅴ)《フリート・ロドリーゲス・トリオ(A)》の誕生の冒頭で触れたように、5枚のベストアルバム・シリーズ発表前に彼らが『メキシコ・ビクター』で吹き込んだ【プエルト・リコのクリスマス:Navidades En Puerto Rico】などが収められています。

【命の洗濯:De Fiesta】
【命の洗濯:De Fiesta】「ヒーバロ歌謡」(『貴方への贈り物 』)

Voy a ensillar mi yegua

porque en el pueblo hay fiesta.

Todo el campo descansa

porque ha llegado el domingo.

Quiero llevarme a mi negra

para que baile conmigo.

馬に鞍をつけたら

さあ命の洗濯に出かけるぞ

今日は日曜日

村中お休みだい!

俺は彼女に会いに行くぞ

彼女と踊りたいんだ

 

¡Monte el potro, mi compadre,

y acompáñame a la fiesta!

¡Monte el potro, mi compadre,

y acompáñame a la fiesta!

よう兄弟、お前も馬を出せよ

命の洗濯に一緒に行こうぜ

よう兄弟、お前も馬を出せよ

命の洗濯に一緒に行こうぜ

 

Cargue usted con mi comadre

para que baile con ella.

No es bueno pasar la vida

siempre pegao a la tierra.

お前はうちのオバチャンと

踊ってくれるよな

地べたを引っ掻き回すばっかりで

一生終わるなんて真っ平だよな!

 

Los bueyes al pesebre

y un rincón el arado.

Hoy no se ordeñan vacas

ni las cocinas se encienden.

Y empecemos la parranda

con un trago de aguardiente.

牛に餌をやったら

道具もかたづけようぜ

今日は乳搾りもなしにして

竈の火も焚かねえぞ

お神酒も入って

ドンチャン騒ぎの始まりだ

 

¡Monte el potro, mi compadre,

y acompáñame a la fiesta!

¡Monte el potro, mi compadre,

y acompáñame a la fiesta!

Baile usted con mi comadre

para que goce con ella.

No es bueno pasar la vida

siempre pegao a la tierra.

よう兄弟、お前も馬を出せよ

命の洗濯に一緒に行こうぜ

よう兄弟、お前も馬を出せよ

命の洗濯に一緒に行こうぜ

お前はうちのオバチャンと踊って

楽しんでくれよ

地べたを引っ掻き回すばっかりで

一生終わるなんて真っ平だよな!

 

Oigame usted vecina,

cuídame el gallinero,

la tienda está cerrada

y yo me llevo el dinero.

Si la parranda no es dura

por la mañana volvemos.

ご近所さんよ

鶏小屋の面倒を頼むよ

そこらの店は休みだし

金はいらねえよな

ドンチャン騒ぎが収まれば

朝には帰ってくるからさ

 

【遺言:Mi Testamento】
【遺言:Mi Testamento】「ボレーロ」(『貴方への贈り物』 )

A quien esté conmigo

cuando yo muera,

que no permita

que me entierren en la arena.

Donde las olas puedan socavar

mi cuerpo y ausentarme otra vez

de mi bendita tierra.

私の ‘今際’ のきわに立ち会う人に

お願いしたい

どうか砂浜には

私の亡骸を埋めないで欲しい

波が私を洗って浮き上がらせて

私を聖なる祖国から

再び引き離すから

 

A quien esté conmigo

cuando yo muera,

que no permita me conviertan

en cenizas, que el viento pueda

por regiones extrañas remontar.

私の ‘今際’ のきわに立ち会う人に

お願いしたい

私を灰にしないで欲しい

風が私を舞い上げて

見知らぬ場所に運ぶから

 

Que me entierren aquí en la montaña.

Donde mis restos se fundan con mi tierra.

Donde sirvan de abono para la azucenas.

Con las que forme un ramo nupcial

una novia santa y buena.

だから亡骸は山の中に埋めて欲しい

私の身が祖国の土になり

その土のおかげで

清楚な花嫁を飾る

白百合が咲けるように

Que me entierren aquí, aquí en mi patria.

私を祖国の土に戻して欲しい!

 

【プエルト・リコのクリスマス:Navidades En Puerto Rico】
【プエルト・リコのクリスマス:Navidades En Puerto Rico】「ヒーバロ歌謡」(『貴方への贈り物 』)

Navidades quiero pasar

bajo el cielo de Puerto Rico

comiendo lechón asao,

bailándome un seis chorreao,

y el año nuevo esperar

con mi amor en Puerto Rico.

プエルト・リコの空の下で

クリスマスを迎えたい

焼き豚を食べて

セイス・チョレアーオを踊りながら

新年もプエルト・リコで

恋人と一緒に迎えたい

 

En la montaña escuchar

repicar de aguinaldo.

Las alegres campanas

de misa aleluya cantar.

En la gallera de la ciudad jugaré mi gallo,

y en la gran parranda de Reyes gozar.

山の向こうからは

賑やかなミサの鐘と祈りとともに

クリスマスを祝う音楽が

流れてくる

町では俺の軍鶏が闘鶏場で奮闘中

賢人たちの祭りも最高潮

Quiero reunir en mi hogar

familiares y amigos

Y dar gracias frente

al nacimiento del niño Jesús.

Por la alegría y por la salud

de los que están presente,

y por los ausentes en himno cantar.

家の中では

家族や友達が集まって

イエス様の誕生日を

皆んな一緒にお祝いだ

生きてる皆んなの健康と

亡き人々のために

賛美歌を歌おうよ

 

Quiero gozar una plena con güiro y con cuatro

y bailar con mi jíbara linda hasta el amanecer.

ギロやクワトロのプレーナで

素敵な娘と朝まで踊りたい

 

Con unos tragos bien calientitos los celebramos.

Que viva el encanto de mi Borinquen.

暖かい酒でお祝いをして

我がボリーンケンを讃えよう

 

Ay le lo lai・・・・

アイ、レロ、ライ・・・・

 

【三つの星:Tres Estrellas】「ボレーロ・チャチャ」(『よろしく、メキシコ』)

Que tres estrellas te acompañen

cuando estés con ella.

Este es el deseo de tu fiel amigo

que mil noches de ronda compartió contigo.

Hoy que te han herido las flechas de cupido.

Y una linda mujer en tus brazos se entrega.

彼女とデートするときは

三つの星を忘れるな

これは、寝食を共にした

真の友からの助言だぞ

今日は君にキューピッドの矢が刺さり

綺麗な彼女を射止めるんだ

 

Que tres estrellas te acompañen

cuando estés con ella.

Una estrella es el amor otra estrella la salud,

pero que nunca te falte el dinero,

estrella de gran magnitud.

彼女とデートするときは

三つの星を忘れるな

一つ目は愛、二つ目は健康

三つ目の星は重要だ

金は絶対に必要だぞ

 

Que tres estrellas te acompañen

cuando estés con ella.

Todos los muchachos con gran alegría

alzando sus copas brindarán por ella.

Ella que te lleva por la nueva vida

plena de esperanzas y eternas caricias.

彼女とデートするときは

三つの星を忘れるな

若者は彼女のために

喜んで乾杯するもんだ

希望と情熱に満ちた新たな人生を

もたらしてくれる彼女に乾杯だ

 

Que tres estrellas te acompañen

cuando estés con ella.

Y tu verás como con tres estrellas

te diviertes más.

彼女とデートするときは

三つの星を忘れるな

三つの星がどんなに

楽しくしてくれるか分かるから

 

 この3枚のための40日間のメキシコ滞在を終え、トリオはプエルト・リコに帰って来ました。その後1974年までの12年間、この同じメンバー、フリート・ロドリーゲス/フ二オール・ナサーリオ/ラファエール・シャローンら3人による《フリート・ロドリーゲス・トリオ(B)》の活動は続きました。

トリオ・ロス・プリーモス

その間《トリオ・ロス・プリーモス》として日本でも公演を行ったことは前述のとおりです。特筆すべきは、メンバーが変わらず12年間も続き、しかもその間途切れることなくレコーディングを続けたトリオは、ラテンアメリカ広しといえども、かの《ロス・トレス・ディアマンテス》以外私は知りません。この《フリート・ロドリーゲス・トリオ(B)》が本国に帰った後の12年間にリリースしたアルバム数は全部で9枚、総曲数は108にのぼります。これらは総て『アンソー二ア』レーべルで発売されました。内容的には平凡な仕上がりの曲も多数ありますが、なんといっても、その中にちりばめまれている21曲のフリートのオリジナル曲が光っています。

【卒業証書:Diploma】

それらは「ボレーロ」が中心ですが、「愛国/ふるさと歌謡」や「ヒーバロ歌謡」も幾つか入っています。中でもボレーロの【卒業証書:Diploma】は大ヒットしました。『カリブのラテントリオ』(234頁)にも歌詞が掲載されています。ほかにも評判になった曲は多数ありますが、本稿では そのうちのいくつかを紹介しておきます。

【ヒーバロのセレナーデ:Serenata En Le Lo Lai】
【ヒーバロのセレナーデ:Serenata En Le Lo Lai】「ボレーロ/ヒーバロ歌謡」(『ANSONIA』SALP-1470)

Una serenata en le lo lai

con el le lo lai de mi tierra.

De mi tierra riqueña

yo te vengo a cantar

una serenata en le lo lai.

Perfumada de azucenas

salpicada con estrellas,

embrujo de yerba buena

y el tibio arrullo del palmar.

ヒーバロのセレナーデ

それは我が祖国の歌

素晴らしい祖国のために

レロ、ライに合わせて

セレナーデを歌おう

香しい白百合の花

満天の星

魅惑的な草木の匂い

かすかにざわめく椰子

 

Ay lo le lo lay, lelo lelo lay, Ay lelo lelo lay,

lelo lelo lay, Una serenata con le lo lai

Así canta el campesino a su linda jibarita.

¡Que hermosa es la tierra mía!

¡Qué alegre su amanecer!

Y que guapa es la mujer

que me espera en el bohío.

Yo vivo pa’ su cariño

y en sus brazos moriré.

Y yo pa’ que quiero gloria

si en la gloria estoy contigo.

Mi Gloria es tener tu amor,

rica flor de Puerto Rico.

アイ、レロ、ロ、ライ

レロ、レロ、ライに合わせて

麗しいヒーバロ娘のために歌う若者

なんて美しい国なんだ!

なんて心地良い夜明け!

愛の栖で俺を待っている

彼女の美しいこと!

俺は彼女の愛にすがって生き

彼女の腕に抱かれて死ぬ

おまえと天国まで行けるなら

僕はどこまでもついて行くよ

あまえの愛こそ俺の悦び

美しいプエルト・リコの花

 

【プエルト・リコに口づけをして:Besando A Puerto Rico】
【プエルト・リコに口づけをして:Besando A Puerto Rico】「ヒーバロ歌謡/ボレーロ」(『ANSONIA』SALP-1483)

Cristalino manantial que bajas de la montaña.

Lentamente irán tus aguas

a derramarse en el mar.

De la cumbre al cafetal, te deslizas hasta el río

y con él te irás de ronda,

quien pudiera irse contigo,

bajo la luna redonda de

mi lindo Puerto Rico.

山の泉から湧き出た水はゆっくりと

海にそそぐ

頂きからコーヒー畑へ

そして川へと絶え間なく流れて行く

こんな素晴らしい

プエルト・リコの満月の夜を

誰に渡せようか!

 

Allá.. ..se ha quedado mi amor

bajo el manto de estrellas

de Borinquen Bella llorando por mí.

Yo estoy aquí, padeciendo mi ausencia.

¡Si algún día volviera a mi tierra natal!

Voy de alegría a llorar en tus aguas manantial.

Y mil llanto irá contigo

desde la cumbre hasta el mar.

Besando a mi Puerto Rico

desde la cumbre hasta el mar.

僕のために泣いてくれる

麗しのボリーンケンよ、君への愛は

あの満天の星空の下に置いてきた

いつか故郷の地に戻りたいと

今は遠く離れて嘆くばかり

山の泉に涙が落とせたら、雫は

湧き出る水と一緒に楽しそうに

山の頂きから海にそそぐだろう

我がプエルト・リコに口づけをして

山の頂きから海へと流れるだろう

 

¡ Fiesta !

Besando a Puerto Rico, Besando a Puerto Rico..

Besando a mi Puerto Rico

desde la cumbre hasta el mar.

さあ、楽しそうに流れてくれ!

山の頂きから海へと

我がプエルト・リコに

口づけをしながら

【愛の炎:Hoguera De Amor】
【愛の炎:Hoguera De Amor】「ボレーロ」(『ANSONIA』CD-1407)

Hay uno de los dos que sobra en este mundo.

Hay uno de los dos sin derecho a vivir.

世の中には二人の片方が不要で

生きる望みを絶たれることがある

 

Me atormenta pensar que te vuelva a buscar

para un nuevo fracaso.

Y por eso he llegado a decidir

que alguno de los dos que alguno de los dos

se debiera morir.

君に新たな過ちを犯すことは

僕には死ぬほど苦しい

だから決めたんだ

二人のどちらかが

死ぬしかないと

 

Si es verdad que el amor mata,

quiero morirme de amor

enterrándome en el alma el puñal

de mi frustrada ilusión.

愛のために死ねるなら

僕は死にたい

それで僕のやるせない気持ちを

精算できるなら

 

Si es verdad que el amor mata

y alguien sobra en este mundo,

en la hoguera de otros labios quemaré

mis ansias de tenerte a ti.

Y entre fuego de otros besos moriré,

y así te libraré de mí.

愛のために死ねるなら

この世に不要な者がいるのなら

ほかの誰かの炎のような唇で

君への想いを燃やしたい

ほかの誰かの口づけに焼かれ

命を絶って自由になりたい

 

【グワラグワーオ鳥:El Guaraguao】「ヒーバロ歌謡」(『ANSONIA』CD-1407)

Yo me voy pa’ la montaña

donde vuela el guaraguao

a buscarme una cabaña

y el amor que yo he soñao.

a buscarme una cabaña

y el amor que yo he soñao.

僕はグワラグワーオ鳥が飛ぶ

あの山へ登りに行く

小屋とは名ばかりの愛の巣と

念願の恋人を探しに

小屋とは名ばかりの愛の巣と

念願の恋人を探しに

 

Nace el día y por la aurora

se pinta de colorao.

La campiña y en la loma,

con un cantar en la boca

garrochando la bueyada, el campesino labora.

Rompe la tierra el arao,

surge del surco el aroma,

vuela arriba el guaraguao.

surge del surco el aroma,

vuela arriba el guaraguao.

Guaraguao vuela que vuela,

¡ Cómo vuela el guaraguao !

Buscando una compañera,

guaraguao enamorao.

Buscando una compañera,

pa’ hacerle una madriguera

en lo más alto del pico de la agreste cordillera.

Y ser como el campesino,

que se pasa el día po’ l fuera

y al atardecer lo esperan las caricias de su amor.

y al atardecer lo esperan las caricias de su amor.

夜が明ければ

平地から丘へと

朝の光が降り注ぐ

お百姓さんが歌いながら

牛を使って耕して行く

土が掘り返されるたびに

土の香りが立ちのぼる

空には

グワラグワーオ鳥が飛び

畑では土の香りが漂う

空にはグワラグワーオ鳥が

パートナーを求めて

飛んでいる

なんて見事な飛びっぷり!

険しい山のてっぺんに

巣作りをするために

パートナーを探しているんだ

昼間は外で懸命に働き

日暮れとともに

愛する恋人の元に帰って行く

お百姓さんの様になりたいと

 

【愛の根:Raíces】「ボレーロ」(『ANSONIA』CD-1407)

Son tan hondas las raíces

del amor que hiciste brotar en mi alma.

Si acaso algún día

cualquiera se atreve tratar de arrancarlas,

verá que no existe semilla

que arraigue de nuevo en el fondo de mi alma.

僕の心に芽生えた愛の

根は深い

無理にその根を抜いても

僕の心の奥底に

新たに生まれた種子までは

見つけられない

 

Nunca crecen rosas en tumbas de roca.

Se mueren cantando las aves sin nido,

sin lluvias de cariño,

hasta el amor mío se marchitará.

墓石にはバラは咲かないし

宿無し鳥は歌い死にする

溢れる情熱が無ければ

僕の愛も萎むだろう

 

Pero quedan tus raíces,

mi tesoro de recuerdos.

Quizás algún día la nave perdida

regrese a su puerto

y el corazón dice;

que aferrado a las raíces de tu amor sublime

te habrá de esperar.

でも君への愛の根と

僕の貴重な思い出は残る

行方知らずの船が

ある日ひょっこり港に戻って

きっと教えてくれる

愛の根をしっかり掴んでいれば

必ず希望は生まれると

 

【涙の鎖:Cadena De Lágrimas】「ボレーロ」(『ANSONIA』CD-1407)

Una cadena de lágrimas

me detiene a tu lado.

Son perlas que se ocultan

en el mar de tus ojos.

僕は涙の鎖で

君につながれている

それは瞳に溢れる

隠れた真珠

 

Y cada vez que intento alejarme de ti

y olvidar para siempre

los besos que te di.

Tu mirar languidece

y tus perlas se derraman.

Y ese collar de lágrimas

no me deja partir.

君と別れようと

君との口づけを

忘れようとすると

君の瞳は曇りだし

涙が溢れでる

その涙の首飾りが

僕を離さない

 

Mi fuga se interrumpe

y retorno a tus brazos

a pedirle a tus ojos

que dejen de llorar.

僕は逃げられず

君の胸にまた戻ってくる

君の瞳を見つめ

泣かないでと願いながら

(Ⅱ)《ロス・トレス・グランデス》 《Los Tres Grandes》

ロス・トレス・グランデス

フリート・ロドリーゲスは、2代目《フリート・ロドリーゲス・トリオ(B)》が解散した翌年の1975年、新たなトリオを結成しました。今回のトリオは《フリート・ロドリーゲス・トリオ》ではなく《ロス・トレス・グランデス》と名付けられましたが、その名称の由来とトリオ誕生の経緯は『カリブのラテントリオ』(361頁)「6。トリオ《ロス・トレス・グランデス》」に詳述されています。因みに、フリート・ロドリーゲスの長いトリオ歴を通して、彼が《フリート・ロドリーゲス・トリオ(Julito Rodríguez Y Su Trío)》という名前を持たないトリオで歌うのは、瞬間的な《ロス・プリーモス》は別にして、デビューの《トリオ・ロス・ロマンセーロス》と、この《ロス・トレス・グランデス》だけです。

ロス・トレス・グランデス

この第4章「そして…」の(Ⅰ)で、【サン・ホワーンの夜】と【逃亡者たち】の歌詞の紹介に続き、「1983年に発売されたこのアルバム(フリート/タティーン/リカールド)が、《フリート・ロドリーゲス・トリオ》が商業レーべルのためにレコーディングした最後のものとなり、このトリオをもって《フリート・ロドリーゲス・トリオ》 の本格的な活動は終わりを告げ、実質的な終焉を迎えることになった」と述べました。

ロス・トレス・グランデス

しかしこの《ロス・トレス・グランデス》は紛れもなくフリート・ロドリーゲスのトリオであり、これこそ名実共に ‘トリオ’ と呼ぶにふさわしい、本格的な活動を伴った彼の最後のトリオです。発売されたアルバムも、『カリブのラテントリオ』の著者パブロ・オルティース氏によれば全部で9枚になり、私の調べでは、レーべルの内訳は『アンソー二ア』が5枚、『ディスコ・ヒット(Disco Hit)』が1枚、『ボリーケン(Borinquen)』が2枚、不明が1枚となっています。これはトリオブームが下火になっていた当時としては画期的な出来事でした。その中で、旧作も含めたフリート・ロドリーゲスが発表した多くの作品が話題になり、トリオの人気に拍車をかけました。

【素晴らしい人:Eres Maravillosa】
【素晴らしい人:Eres Maravillosa】「ボレーロ」(『ANSONIA』SALP-1553)

Entre un manojo de acordes

buscaré la inspiración.

Para quemarla cual incienso

ante las puertas del altar

de tu belleza celestial.

君の心の琴線に触れると

僕は感動をおぼえる

その感動を

君の神々しい美しさに

捧げよう

 

Eres maravillosa

como te había soñado.

Quiero ser en tu reino

el más dichoso esclavo.

君は夢のような

素晴らしい人だ

僕は君に支配され

幸せな君の奴隷になりたい

 

Cumbre de las pasiones

es tu amor para mí.

Y no sé si llorar o reir

cuando estoy a tu lado.

君の愛は

僕にとって最高だ

君と一緒に居ると

嬉しさのあまり涙があふれる

 

Maravillosa es la pureza

en tu mirada que siempre alienta

la dulzura en mi vivir.

Maravillosa sutileza

me has brindado, por eso en pago aquí

te traigo el corazón.

その清純な瞳で見つめられると

僕の命は

よみがえる

その得も言われぬ素晴らしさに

報いるために

僕の心を捧げよう

 

Eres maravillosa.

君は本当に素晴らしい人だ

 

【生き方:Tratar De Vivir】
【生き方:Tratar De Vivir】「ボレーロ」(『DISCO-HIT』DHCD-1923)

Hay momentos así en que uno presiente

que lo han olvidado.

Hay momentos así en que uno quisiera

olvidar lo pasado,

trazando una raya en el tiempo

y empezar de nuevo a tratar de vivir.

Trazando una raya en el tiempo

y empezar de nuevo a tratar de vivir.

過去を

忘れた素振りを見せたり

過去を忘れたいと思うときは

誰にでもある

今の生き方に区切りをつけて

新たな人生を始めたいから

今の生き方に区切りをつけて

新たな人生を始めたいから

 

Tratar de vivir, de vivir, de vivir sin un cariño,

tratar de vivir, de vivir, de vivir sin un amor,

difícil ha de ser. pero imposible, no.

Se puede conseguir amor lazando al corazón.

Difícil ha de ser, pero imposible no,

si el tiempo y el olvido ayudan

a curar cualquier dolor.

生きることに愛着もなく

愛も求めず生きるのは

難しい、いや不可能だ

愛に心を奪われることもある

たとえどんな苦悩でも

時が忘れさせてくれても

生きることは本当に難しい

 

Difícil ha de ser, pero imposible no.

生きることは本当に難しい

 

【俺はヒーバロ:Jíbaro Castao】
【俺はヒーバロ:Jíbaro Castao】「ヒーバロ歌謡」(『DISCO-HIT』DHCD-1211)

Oiga amigo, esta es la tierra

donde vivieron mis antepasados.

La buena tierra que ellos cultivaron

hasta cumplirse el mandato de Dios.

良く聞いてくれ、ここは

ご先祖様が住んでた土地だ

ご先祖様が神様の言うとおりに

真面目に耕してきた土地だ

 

Con sus manos laboriosas y su frente sudorosa

hicieron nuestro ranchito

que fue su nido de amor.

hicieron nuestro ranchito

que fue su nido de amor.

汗水たらして働いて

ご先祖様は我々のために

愛の住みかを残してくれた

我々のために

愛の住みかを残してくれた

 

Y como yo no voy a querer esta tierra,

si en ella nací me criaron.

Como lo fueron mis antepasados,

Jíbaro castao soy yo.

ここで生まれ育った俺が

この土地を愛すのは当たり前だ!

俺はご先祖と同じ

生まれながらのヒーバロだ!

 

Soy tostado por el sol

y la lluvia me refresca.

Y bebo del manantial que corre por la pradera.

¡Le lo lai le lo lai lel lo le lo lai!

Yo fuí como el zumbador,

visité todas las flores.

Hasta que al fin encontré

el amor de mis amores.

¡Le lo lai le lo lai lel lo le lo lai!

Como yo no voy a querer esta tierra,

si en ella nací me criaron.

Como lo fueron mis antepasados,

Jíbaro castao soy yo.

Como yo no voy a querer esta tierra,

si en ella nací me criaron.

Como lo fueron mis antepasados,

Jíbaro castao soy yo.

俺はお天道様に焼かれ

雨に冷やされ

山から流れる湧き水を飲む

レロ、ライ、レロ、ライ・・!

俺は花から花へと飛び回る

蜂のように

最愛の恋人を

探し回る

レロ、ライ、レロ、ライ・・!

ここで生まれ育った俺が

この土地を愛すのは当たり前だ!

俺はご先祖様と同じ

生まれながらのヒーバロだ!

ここで生まれ育った俺が

この土地を愛すのは当たり前だ!

俺はご先祖様と同じ

生まれながらのヒーバロだ!

 

Me despierto cuando canta

en el monte el ruiseñor

Jíbaro castao soy yo.

Cuando la canto a mi tierra,

pongo todo el corazón.

Jíbaro castao soy yo.

Mamá Borinquen me llama.

Jíbaro castao soy yo.

俺は山から聞こえる

小夜啼鳥の声で目を覚ます

生まれながらのヒーバロだ!

俺はこの土地に向かって

心をこめて歌う

俺は生まれながらのヒーバロだ!

母なるボリーンケンが俺を呼ぶ

俺は生まれながらのヒーバロだ!

フリート・ロドリーゲスにとって名実ともに最後のトリオとなった《ロス・トレス・グランデス》が残したアルバムシリーズの最後に、恐らく9枚目だろうと思われますが、彼は自らの長いトリオ人生を懐かしむようなアルバムを作りました。タイトルは『年を重ねて:Van Pasando Los Años』、副題は「黄金時代のボレーロ名曲集:Las Más Lindas Canciones De La Epoca De Oro “En Boleros” 」となっています。内容は全18曲がオーケストラをバックにメドレーで歌われ、前半の9曲は【べーサメ・ムーチョ】など《ロス・パンチョス》メドレーのような超懐メロ集、後半の9曲はプエルト・リコの地味なボレーロが集められています。その ‘つなぎ’ に使われているのがフリートのオリジナル曲【年を重ねて:Van Pasando Los Años】というわけです。

【年月を重ねて:Van Pasando Los Años】
【年月を重ねて:Van Pasando Los Años】(『BORINQUEN』AAA-1388)

Van pasando los años de memorables noches

y seguimos guardando en nuestros corazones,

cual se guarda en tesoro para toda la vida

las más lindas canciones de la época de oro.

黄金時代の

素敵な歌を胸に抱き

思い出の夜と共に

年月は過ぎてゆく

Al mirarme en tus ojos

y al sentir tus caricias

siento que el mundo entero comparte

mi alegría y es preciso el momento

para decir te adoro con las lindas

canciones de la época de oro.

君の瞳を見つめ

君の愛を感じる時

僕の気持ちは最高潮

君に愛を告白する時

黄金時代の素敵な歌は

欠かせない

Siempre hay un tiempo para todo en esta vida,

tiempo para reír, tiempo para llorar.

Siempre hay un tiempo para todo en esta vida,

tiempo para cantar, tiempo para bailar.

Este es el tiempo que recordar

las más lindas canciones

de la época de oro que nunca se olvidará.

人生には

涙と笑い

それに歌と踊りが

付き物だ

そんなときには

忘れられない黄金時代の

素敵な歌を思い出そう

1983年、フリート・ロドリーゲスのトリオは実質的に終焉を迎えることになります。勿論これでフリートはトリオ活動を止めたわけではなく、これ以降もトリオにこだわり、アルバムこそ残していませんが国内外でのライブ演奏やテレビ出演など、精力的な演奏活動を続けました。1999年の暮れ、私がマエストロに初めてお会いしたときも、現役バリバリでライブコンサートを開いていました。記録に残っているものだけでも4組以上のトリオを結成しています。それらの構成メンバーは、前出のリカールド・フェリウーを除いて、プエルト・リコ国外ではほとんど無名の、しかもフリートとは一廻り以上も年齢が若い演奏家ばかりです。1996年には彼の音楽活動50周年記念コンサートが開かれ、「アンソー二ア・レコーズ社」社長のメルセーデス・ぺレス・グラースさんから感謝状と記念盾の贈呈が行なわれています。

セレナータ50年(50 Años de Serenata)

それを記念したCD『セレナータ50年(50 Años de Serenata)』 もプライべート・レーべルで発売されました。この中には【海と空 】も収録されていますが、私の手元にあるマエストロ・ロドリーゲスが歌う最後の【海と空 】の音源は2009年頃のものです。またパブロ・オルテース氏も、小冊『フリート・ロドリーゲス・レイエス、セレナータ50年』を刊行しています。忘れてならないのは、1984年以降も作曲家フリート・ロドリーゲス・レイエスは衰えることなく多くの作品を残していることです。

セレナータ50年(50 Años de Serenata)

その中には、ほかのアーティストたちがカバーしても良さそうな曲も多数あります(そのうちの何曲かは以前サン・ホワーンで、あるトリオがライブで歌っていました)。
私が集めることができただけでも12曲あり、総てボレーロです。それらの曲名は以下のとおりです。
【Apuntalo】 【星占い:El Horóscopo】 【錯覚:Espejismo】 【Indiscutiblemente】 【Juego De Amor】 【Mi Compañera】 【Paisaje De Madrugada】 【Primera De Ayer】【Sensualidad】 【Tantas Noches】 【Tu Risa】 【Yo No Tenía La Luz】。

【錯覚:Espejismo】
【錯覚:Espejismo】(P&A Records /UNIVERSAL MUSIC LATINO.)

Aunque te volviera a ver

todo sería distinto.

Hoy tengo que comprender

que tu amor fue un espejismo.

君が日頃見ているものは

実像ではないよ

今日分かったんだけど

君の愛も僕の錯覚だった

Igual que un espejismo,

como pase en el desierto.

Donde asoma en la distancia

la esperanza de la vida.

Un espejismo fueron todas tus palabras.

Y los besos que me dabas

un espejismo también.

遙か彼方に

生きる希望を見たのも

砂漠に現れる

蜃気楼のようなもの

君の言葉は僕にとって総べて錯覚

君が口づけをしてくれたのも

錯覚だった

 

Te supiste divertir conmigo,

me pintabas castillos en el aire.

Si aprender tu lección fue mi castigo,

me atrevo a apostar la vida

que ya no me engaña nadie,

me atrevo a apostar la vida

que ya no me engaña nadie.

君が楽しませてくれたことも

僕の錯覚みたいなもの

そんな教訓を君から学ぶのが

僕への懲らしめなら

もう誰にも騙されずに

生きるしかない

誰にも騙されずに

 

Corre este espejismo de amor

それでも愛の錯覚は続く